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ワイルドディスカスの産地と分類2

ご無沙汰しております。
年末行事でついつい更新が滞ってしまいました。

前回のつづきで、別著者による分類の論文を紹介します。

Izeni Pires Farias & Tomas Hrbek, 2008. Patterns of diversification in the discus fish (Symphysodon spp. Cichlidae) of the Amazon basin. Molecular Phylogenetics and Evolution 49 (2008), 32-43

この論文もやはり、アマゾン川からディスカスを採集して、ミトコンドリアDNAの相同性を調べています。
前論文よりもサンプルが多く、24地点から採集した334個体を調査しています。1地点あたり14個体です。

まず、筆者は外観の特徴による分類と生息域について、下記の通りまとめています。

  1.Symphysodon discus
    一般名:ヘッケルディスカス
    生息域:Negro river, Trombetas river
  2.Symphysodon discus willischwartzi
    一般名:Abacaxiディスカス
    生息域:Abacaxis river
  3.Symphysodon aequifasciatus haraldi
一般名:グリーンディスカス
生息域:アマゾン川西域(Javari, Ica, Japura, Jutai, Juruaなど支流含む)
  4.Symphysodon aequifasciatus axelrodi
    一般名:ブラウンディスカス
    生息域:アマゾン川東域(Uatuma, Madeira, Tapajos, Trombetas, Paru, Jari, Tocantins)
  5.Symphysodon aequifasciatus aequifasciatus
    一般名:ブルーディスカス
    生息域:アマゾン川中央域(Purusなど含む)

一つポイントはグリーンディスカスブルーディスカスの学名が一般書籍と逆になっています。
また、グリーンディスカスがtarzooでありません。

これらのグループをミトコンドリアDNAの相同性で並べてグループ化すると、下記の通りです。

  ①ヘッケルディスカス、ブラウンディスカス、Abacaxiディスカス
  ②グリーンディスカス
  ③ブルーディスカス
  ④Xingu riverのディスカス

サンプル数が多い分、先回の論文よりも信頼度が高いと思います。
繁殖の組み合わせを考える上で役に立つかもしれません。


ここで、久々に稚魚の近況です。
ブルーマックス×ピオワルロートの稚魚です。だいぶディスカスっぽくなってきました。
発色はステップバイステップながら、体型がとてもイイです。
今後の成長に期待です。
詳しくは、またアップデートします。

DSC03652s.jpg

DSC03656s.jpg

さて、2012年のアップデートは今回が最終回と思います。
来年はもう少し更新頻度をアップしたく考えています。2013年もよろしくお願いいたします。
それでは、皆様、よいお年を。




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テーマ : 熱帯魚
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ワイルドディスカスの産地と分類1

ご無沙汰しておりました。久々の記事です。

ワイルドディスカスの分類について書かれた論文を2報みつけました。
1報ずつ紹介します。
まず、J.S. Rady et al. (2006)から紹介します。

ご存じのとおり、ワイルドは産地によって体色・体型にバラエティーがあります。
そのバラエティーに基づいて、ディスカス

 Symphysodon discus = ヘッケル
 Symphysodon aequifasciatus = ブルー、ブラウン
 Symphysodon tarzoo = グリーン


と分類されています。
J.S. Rady et al. (2006)は、この分類を一歩進めて、ミトコンドリアのシトクロームbの遺伝子変異を調べ、論文を書いています。
遺伝子の変異が少なく、似通っていれば、同じグループ。すなわち、近い血縁である、という考え方です。

ディスカスはアマゾン川の低地域に限定して生息してます。
この論文では、有名産地のディスカスをサンプリングして、シトクロームb遺伝子の配列を調べています。
調査した産地を西から順番に挙げると、下の通りです。

 西部:Ica, Jutai, Jurua, Tefe, Rio Bauana
 中部:Manaus, Madeira, Abacaxis, Maues
 東部:Alenquer, Boim, Jua


結果は、S.aequifasciantusS.discusは同じグループ、S.tarzooは別グループだそうです。
 
 1.S.aequifasciantus + S.discusグループ
   Manaus, Abacaxis, Madeira, Maues, Alenquer, Jua, Boim
 2.S.tarzooグループ
   Ica, Jutai, Jurua, Tefe, Madeira


どうやら、西部のディスカス、中部~東部のディスカスで血縁的に隔たりがあるようです。
そして、Madeiraは両グループが混じっているようです。
キレイなグルーピングと思います。
しかし、この論文には重大な欠点が・・・。サンプル数が圧倒的に少ないのです。アマゾン川全部でたったの23個体。
かなりキレイな結論の論文なのですが、あくまで参考までに、と考えます。

次回は、別著者の分類に関する論文を紹介します。

J.S. Ready, E.J.G. Ferreira & S.O.Kullander (2006) Discus fishes: mitochondrial DNA evidence for a phylogeographic barrier in the Amazonian genus Symphysodon (Teleostei: Cichlidae). Journal of Fish Biology (2006) 69 (supplement B), 200-211


写真がないとさみしいので、今日の繁殖近況です。

ブルーマックス×ピオワルロートの稚魚は、(サイズのばらつきが出ているものの、)順調に育っています。
一番大きな個体で500円玉大になりました。
額、anal finに青い色が見えはじめました。
DSC03577s.jpg

ブルーマックスペアは産卵後2日目。今日の夜には孵化しそうです。
DSC03573s.jpg


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ディスカスの食性

ディスカスは不思議な魚です。
基本的に動きがものんびりしているし、泳ぐのが得意じゃなさそうです。むしろ浮いてるのが得意!?
まん丸の体は水流に流されてしまうし、物の隙間にも隠れられません。
さらに、じーっと人間を長時間見つめていたり、性格がどこか抜けています。

こんな風にじーっと見ています
DSC03546s.jpg

飼育下のディスカスの餌は、ハンバーグ・アカムシ・固形飼料など、動物質に偏っています。
こんな魚に食べられる動物はいるのか・・・と言う疑問が頭にある中で、とある論文を発見しました。

William, 2008がテフェ地域のSymphysodon haraldi(グリーンディスカス)を調べ、論文にしています。

ディスカスの食べ物は雨季と乾季で少し違うようです。
雨季の食べ物は、Detritus+藻類+植物のミックスがメイン!食事の75%以上と書かれています。
そして、残り25%は甲殻類、甲虫の幼虫、アカムシなど動物質とあります。特にアカムシは10%を占めます。

乾季もDetritus+藻類+植物が主食には違いありませんが、60%くらい。さらに木の皮や木片が10%。
乾季はカイエビ、甲虫の幼虫の比率がそれぞれ食事の10%を占めるまでに増えます。
また、アカムシは雨季と同等の10%。
動物質が雨季より増えています。

ということで、なんと野生ディスカスは水底のゴミみたいなものを常食しているようです!
一方で飼育下のディスカスは、動物質を常食しています。
元々、米・野菜・魚を食べていた日本人の食事が欧米化したのに似ています。
高カロリー、高たんぱくの食事は、体がデカくなります。
見栄えのする魚に育てるには動物質メインの餌が良いと思います。
ディスカスハンバーグを開発した人の着想は驚異的です!

さらに、同論文には、雨季はほとんどの個体が常時満腹に近いくらいまで食べまくっているのに対し、乾季はあまり食べていないと書かれています。
乾季時、捕獲した30%の個体は胃が空だったとか。
餌がないのか、食欲がないのかわかりませんが、乾季のディスカスは痩せてるのかもしれません。

William G.R. Crampton (2008) Ecology and life history of an Amazon floodplain cichlid: the discus fish Symphysodon (Perciformes: Cichlidae). Neotropical Ichthyology 6(4), 599-612


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水温と稚魚の成長

かなり久々の更新です。

いったい何をしていたのかと言えば、繁殖で苦心していたのです。
親が卵を食べてしまう。稚魚を食べてしまう。
体着し、親から離してみたら、大量に☆になってしまう。
いろいろあって、ようやく上手いこといきつつあります。

生後45日目(体長1.0-2.5cm):ブラインシュリンプをむさぼる風景


ところで、本題:稚魚の育成温度です。
30℃以上が良い、成長が早いと良く聞きますが本当は何度がベストなのか?

Juhani et al., 2012によると、28.8℃が最も成長が速い温度ということです。
同じ親からとった生後2週間の稚魚14匹ずつのグループをそれぞれ25、27.5、29、30.5、33℃の温度で38日間育成し、その期間の体重を測るという研究です。
温度vs体重増加率の近似曲線を作成すると、28.8℃が頂点の曲線になるという。
ちなみに25℃と31℃の成長率はほとんど同じ。

我が家は29℃設定で育成中です。

Juhani Pihonen, Sari Aaltonen & Henna Jarvenpaa (2012) Growth of domesticated discus Symphysodon sp. at constant temperatures. Aquaculture Research, 2012, 1-4


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プロフィール

Zenra

Author:Zenra
ディスカスを飼育・繁殖させています。CBのみ飼育中。顔つき、体つきにこだわってます。カラー、模様は幅広ーくストライクゾーン。
ブログではディスカスの飼育・繁殖状況、論文紹介、ディスカスよもやま話をつづります。
理系の博士。数年前に研究から引退。かつての専門は分子遺伝学、解剖学と神経生理学。

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